2012年5月29日火曜日

活動記11「5回目の路上販売」

5月27日日曜日に5回目の路上販売をやった。

売っている写真は、日本・韓国・アメリカ・カナダの野球の写真。

今回の場所は、横浜スタジアム。

れっつらごー。
朝11時
この日の試合開始は15時。

彼は、いつものように、2時間前に球場につくための準備をしている。

長崎育ちの彼にとって、簡単に横浜なり千葉なり行けることは、驚きだった。

いつか憧れたいたその地へ。

昼1時 陣内とトノサマバッタと風
横浜スタジアムに1番近い関内駅に彼はいた。

「どこでやるつもりなの?」 肩にのったトノサマバッタが声をかけてくる。

「横浜スタジアムがある公園内は多分マズイんだよね。だから駅までの通り道じゃねえか」

およそ30分、彼は周囲を移動している。

5回目の彼でも、最初に座る行為には慣れない。

場所を決める。

俺が助けてやるよ。

吹いていた風と反対方向の風が吹き始める。

場所金 陣内とクレア
「場所代払えよ」

声をかけてきたのは、50歳すぎぐらいのおっちゃんだった。

「場所代ってなに?」クレアの質問を横目に、彼は舌打ちしながらも答えた。

「いくらですか?」

「1000円払えよ。」

「いや、売り上げが2000円ぐらいなので、1000円はちと厳しいす。売り上げの10%でどうですか。」

「そんなんじゃ話になんねえよ。」

これは、外から攻めなくてはいけない。

日々の雑談。家族、野球、売り上げ、天気。

まさに、外攻めの野球。
お金
その作戦が功をせいした。

道路を使わせてもらうために払った。

500円。

これからの関係を円滑に進めるなら、高くないお金だ。

写真を広げ、整え、座る。

風がかなり強いせいか、写真が面白いように飛んでいく。

風対策をしていなかったり、お釣りの準備を忘れたり、ところどころ準備不足が否めない。

そこに忍び寄るは、3人のお客さん。

姉ちゃん
「キューバの野球の写真ない?」

「ないんですよね。今から行こうとしてます。キューバに興味あるなんて珍しいですね。行かれたことはありますか?」

彼女の服装は、欧州を旅行しているかのような雰囲気を漂わせていた。

彼は、キューバについて初めて質問されたせいか、心なしか上機嫌だった。

「1か月住んでたよ。いいところだよ。スペイン語は出来るの?」

「今から勉強しようとしています。連絡先を教えて頂いたら、キューバの写真を来年差し上げますよ。」

突風が吹く。

「これで写真を撮ってきて。」と彼女は言いながら、1000円を差し出してきた。

彼は、困惑している。

こんなことは初めてで、どう対処したらよいのかわかっていない。

「そういうときは受け取るもんだ。」 肩で寝ていたトノサマバッタが声をかける。

「わ、わかりました。フェイスブックはお持ちですか?帰国後連絡を差し上げますよ。」

初めて、投資、という形でお金をもらった。

「こんなこともあるんだな。」と、トノサマバッタが息をこぼしている。

また会いたいなと思える人と、久しぶりに出会った、春の日。


おっちゃん
このおっちゃんは、ひたすら言う。

「俺写真には興味ないけど、あんちゃんのしていることには興味あんのよ。」

写真販売をするようになって、同じようなことを時々言われる。

これはどうしたらいいんだろう。

こちらとしては、興味を持って頂いたのなら、写真という形でお金をもらいたい。

カンパとして、お金をもらうのは、気が引ける。

「頑張って」

考える間もなく、100円を置いて行ってくれた。

なんか。こう。頑張らねえとな。と。思う。


アメリカ人
道の両脇に植えられた木が、木陰を作っている。

国際結婚をされているご夫婦が足をとめた。

女性の方が私のプラカードを日本語に訳している。

喋りたがりの彼は、考える間もなく喋りかける。

「I am traveling the world for baseball. Are you American? Have you watched baseball game in US and where??」

「がdkfhじゃうぃrんjfが」

アメリカのカリフォルニア出身で、シアトルにも15年住んだことがあるらしい。

話は飛ぶ。

頑張ってくれよ!と、500円を置いて行ってくれた。

ここで彼は思った。

アメリカやメキシコでも路上販売をやってみよう。

どんなことが起こるんだろう。

変わらない日常の、変わらない歩道の、変わった横顔。

子供

たびたび、子供が止まる。

「兄ちゃんなにやってんの?」「おおお!!凄い!この写真どこ?」

「これはカナダで、これは韓国。おもれえだろ?」

前日と同じく、じゃんけんで勝った子供1人に、Lサイズの写真を無料で上げている。

「よっしゃああ!!」

子供のそんな無邪気な声は、見ている陣内らの心を温かく染める。

試合開始 風
日曜日の温かい雰囲気は、横浜の地を漂っている。

試合が始まったせいか、人通りが少ない。

彼は荷物を片づけ、どこかに向かおうとしている。

「おっちゃん。売り上げ1600円だったよ。色々とこれからもよろしくお願いします。」

彼はどうやら報告をしているらしかった。

「なんだ坊主。それだけか。ま、また頑張ろうず。」

立ち去ろうとする彼に、おっちゃんは声をかける。

「待てよ。お前ちょっとこい。これ、食え。」

微々たる売り上げにも関わらず、場所代を請求した己の心に痛みを感じたのかもしれない。

「マジですか。おっちゃんいいやつっすね。今年も来年もまた来るんで仲良くしてください。」

頑張っているやつを応援したがる歳になってしまったんだ。

吹くか。

吹き荒れていた風がおっちゃんの後ろ髪をなびかせる。


試合後 
「この中から好きな写真を選んでいいよ。」

彼の声に足をとめたのは、ベイスターズファンの小学生だった。

「いいんですか?」

信じられないらしく、声がよわよわしい。

「兄ちゃんが写真を1枚くれるって。どれがいいの?」父さんが声をかける。

親子のお陰で、陣内の周辺を人が囲む。

ざわざわざわさわ。

小学生の彼は、横浜スタジアムの写真を選んだ。

「これ。兄ちゃんに上げなさい。頑張ってねって。」

子供づてに頂いた、300円。

その心意気に惚れたので、特別プライスで、彼は写真をもう2枚上げていた。

なんだろうな。

俺、そういうの好きだよ。



ベレー帽とよっぱらい

彼らには、写真を買って頂いた。2000円

お客さんが他にもいたせいか、長時間喋ることが出来なかった。

難しい。

他にお客さんがいる中で、全体を見ながら話さなあかん。

うん。勉強だ。

路上販売をするときに、誰かが俺の隣にいてくれてもいいのかな。


飲み
販売が終わった後、下の写真に写っている兄弟と飲んだ。

ノリがよく楽しそうだったので、ついつられた。

これからの話しは長くなるので、また別に書きます。

非常に楽しい時間を過ごしました。



そんな感じ
そんな感じで、5回目の路上販売を終えました。売り上げは4000円。

この日が1番楽しかったように思います。

活動記8「決断」で書いたように、一旦路上販売を止めます。

簡単に言うと、お金がないから。

写真販売をやってみた、総合的な感想は別に書きます。

どのような感じで売ったか、実際いくらで売ったか、何が必要か。

そういうことで、活動記11「5回目の路上販売」でした。

ちゃんちゃん。

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